「先生、夢に出てきたんです」
はい。
「私はそうではありませんが、彼は私のことが好きなんだと思います」
……はい?
長く恋愛相談を受けていると、ときどきこういうお話があります。
好きな人が夢に出てきた。
別れた恋人が夢に出てきた。
しばらく連絡を取っていない人と、夢の中では仲良く話していた。
目が覚めても妙に鮮明に覚えている。
だから、
「彼も私のことを考えているのでしょうか?」
というご相談です。
さて。
ここには、いくつか別のお話が混ざっています。
夢に出てきた――これは事実
まず、
「その人が夢に出てきた」
これは、その人が経験したことです。
否定する必要はありません。
嬉しかった。
懐かしかった。
怖かった。
目覚めたあとも胸が苦しかった。
そうした感情も、その人自身のものです。
夢には、普段は意識していなかった記憶や感情が現れることもあります。
だから私は、
「ただの夢だから気にしなくていいですよ」
と、最初から全部捨ててしまう必要もないと思っています。
ただし。
ここから先は分けます。
「彼が夢に出た」と「彼が私を好き」は同じではない
夢の中で、彼が笑っていた。
抱きしめられた。
「好きだ」と言われた。
それは夢の中で起きたことです。
そこから、
現実の彼も私を好きだ。
まで行けば、話は別です。
夢に登場した相手の言葉を、そのまま現実にいる本人の意思として扱うことはできません。
なぜなら、
本人に聞いていないから。
これは占い以前のお話です。
夢の中の彼と、現実の彼は同一人物ではありません。
あなたの夢の中に現れた「彼」です。
だから、
「夢で告白されたので、現実でも両想いです」
とは、私は言いません。
では、夢には何の意味もないの?
ここで極端に反対側へ行く必要もありません。
夢に意味を感じること。
夢占いを楽しむこと。
夢をきっかけに、自分の本当の気持ちに気づくこと。
それらまで否定する話ではありません。
たとえば、もう忘れたと思っていた人が夢に出てきた。
目が覚めたとき、自分が泣いていた。
そこで初めて、
「私はまだ、この人を忘れていなかったんだ」
と気づくこともあるでしょう。
それは、相手の気持ちを知ったのではありません。
自分の気持ちを知った。
ここは、とても大きな違いです。
そして、占ってみたら縁が流れていることもある
では、電話占いならどうするのか。
実際に鑑定してみます。
そこで、
「夢との関係性は特にありませんね」
となることもあります。
でも続けて見ていくと、
「ただ、お二人の縁は流れていますね」
となることもある。
ここが面白いところです。
夢が未来を教えてくれたから、縁があるのではありません。
夢とは別に見た結果として、二人の間にまだ動きがある。
私は、そういうものを一緒にしません。
三つに分けてみましょう
恋をしていると、いろいろなものが一つに見えてしまいます。
だから、いったん分けます。
一つ目。起きたこと。
彼が夢に出てきた。
二つ目。自分が感じたこと。
これは何かの知らせだと思った。
彼も私を好きなのではないかと思った。
三つ目。相手との関係。
現実の彼はどう思っているのか。
二人の関係は今どうなっているのか。
これから動く可能性があるのか。
三つとも、別です。
一つ目と二つ目だけで、三つ目の答えを決めてしまわない。
それだけでも、恋愛の不安はずいぶん整理できます。
恋をすると、人は答えを探す
特に会えない時間が長くなると、人は答えを探します。
夢。
数字。
月。
偶然流れてきた曲。
SNSで見かけた言葉。
それを見て、
「これは彼からのサインかもしれない」
と思う。
そう思うこと自体を、私は笑いません。
恋をしていれば、そういう夜もあります。
でも、そのサインを使って、
相手の意思まで決めない。
彼の気持ちは、彼のものです。
ここは大切にしたいところです。
夢は、あなた自身を映すことはある
夢を見た朝。
すぐに、
「彼はどう思っていますか?」
へ行く前に、一つだけ考えてみてもいいでしょう。
私は、この夢を見てどう感じたのだろう。
嬉しかった?
寂しかった?
会いたくなった?
腹が立った?
もう終わったと思っていたのに、心が動いた?
そこには、現実の彼の気持ちではなくても、
あなた自身の現在地
が見えていることがあります。
それを知るだけでも、夢には十分な意味があるのかもしれません。
それでも彼の気持ちを知りたいなら
それでも知りたい。
彼はどう思っているのか。
まだ縁はあるのか。
連絡は来るのか。
二人はこれからどう動くのか。
そこまで知りたいなら、
夢に答えを言わせるのではなく、そこで初めて占えばいい。
夢を否定する必要はありません。
夢を神託にする必要もありません。
夢は夢。
あなたの気持ちは、あなたのもの。
彼の気持ちは、彼のもの。
そして、
二人の間に流れる縁は、また別のお話です。
それぞれを分けて見ていきましょう。
次回――エンジェルナンバーって、誰が天使に聞いたの?
さて。
夢から帰ってきたと思ったら、今度は数字です。
「先生、最近111をよく見るんです」
はい。
「天使が、彼との恋が叶うと教えてくれているんですよね?」
…………。
天使の担当者を呼びたまえ。
数字に象徴的な意味を見いだすことと、
天使があなたへ何かを伝えたと断定すること。
そして、
そこから第三者である彼の意思まで決めること。
これは全部、同じでしょうか。
次回は、
エンジェルナンバーについて、言ったやつ責任取れよ
というお話です。
――もちろん公開記事なので、少しだけ上品に書きます。
少しだけ。

