「相性はいいです。が。」――占いで相性が良くても、恋を勧めるとは限らない

学び舎記

占いで「相性がいい」と言われたら、どう思いますか?

付き合える。

うまくいく。

結婚できる。

そんなふうに受け取る人もいるかもしれません。

でも、占い師からすると、

「相性がいい」と「その恋を進めた方がいい」は、必ずしも同じではありません。

相性は相性。

そして現実は現実です。

今回は、実際にあったご相談のお話です。

「ゲームの中では、付き合っています」

その方には、ゲームの中で「付き合っている」男性がいました。

ゲーム内では結婚もしています。

そして、お客様は彼と現実でも会いたいと考えていました。

ここまでなら、オンラインゲームをきっかけにした恋愛相談として、それほど珍しくないかもしれません。

ですが、お話を聞いていくと、いくつか事情が出てきました。

現実で二人きりで会ったことは、一度だけ。

そして彼は――

お客様の息子さんと同じ年、同じ学年。

さらに、お客様自身は既婚者でした。

そのことを彼には伝えていません。

そのうえで、お客様から聞かれました。

「会いたいと思ったんですけど、息子と同級生なので自信がなくて。彼はどう思うでしょう?」

……なるほど。

占い師の頭の中には、いろいろな言葉が浮かびます。

私の場合は、

(普通は一回会って逃げられますね)

でした。

もちろん言いません。

仕事ですから。

「相性はいいです。が。」

占ってみると、二人の相性自体はよいものでした。

ここで、

「相性がいいですよ。頑張って!」

と言ってしまうのは簡単です。

ですが、それで終わるわけにはいきません。

私がお伝えしたのは、

「相性はよいものの、母子の関係のようなものに変わりはききません。
 現実で会うよりは、ゲームで楽しく過ごすのもおすすめですよ」

ということでした。

ここで大切なのが、

「相性はいい」

という言葉です。

これは、この恋愛を勧めるための結論ではありません。

枕詞です。

相性について聞かれた。

占ってみた。

相性はいい。

ならば、そこはそのまま伝えます。

でも、

「相性はいいです。が。」

その先には、現実があります。

占いの結果だけでは、人は生きていない

カードでよい結果が出た。

相性もいい。

だから進めばいい。

そんな単純な話ばかりなら、占い師の仕事はずいぶん楽です。

実際の相談には、その人の生活があります。

家族がいることもあります。

仕事があります。

年齢も立場もあります。

相手との関係が、現実ではまだほとんど築かれていないこともあります。

それらを全部飛ばして、

「カードがいいから大丈夫」

とは、私は言いません。

だからといって、占いで出た結果を都合よく変えることもしません。

相性がいいなら、

相性はいい。

そこはそのままです。

そのうえで、

では、現実ではどうするのか。

を考えます。

良い結果にも、ブレーキが必要なことがある

悪い結果が出たときに、言葉を選ぶ占い師は多いと思います。

でも実は、

良い結果が出たときにも、言葉を選ばなければならないことがあります。

「相性がいい」

「気持ちがある」

「可能性がある」

そういう結果は、とても耳ざわりがいいものです。

だからこそ、それだけを強く伝えれば、お客様がその先まで「行っていい」と受け取ることもあります。

けれど、

占いの結果がGOサインとは限りません。

相性を見ることと、

その関係を現実で進めること。

これは別の話です。

「相性はいい」は、結論ではない

占い師は、ときどき不思議な立場に立ちます。

悪い結果が出れば、現在を否定しないように言葉を選ぶ。

良い結果が出れば、今度は未来へ走りすぎないように言葉を選ぶ。

だから私は、

「相性はいいです」

で終わらないことがあります。

「相性はいいです。が。」

その「が」のあとに何を伝えるか。

そこにはカードには描かれていない、相談者の現実があります。

占いは結果を出して終わりではありません。

その結果を持って、

この人が現実をどう歩くのか。

そこまで考えて言葉にするのも、占い師の仕事だと思っています。

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