「先生、最近1111をよく見るんです」
はい。
「時計を見ると11時11分だったり、レシートにも同じ数字が出たりして」
ありますね。
「これって、彼との恋が叶うって天使が教えてくれているんですよね?」
……。
ちょっと待ってください。
数字をよく見ること。
その数字に意味を感じること。
そして、
「天使が、彼との恋が叶うと教えている」
ということ。
これは全部、同じ話でしょうか。
今日は、いわゆる「エンジェルナンバー」のお話です。
そもそも、エンジェルナンバーとは何でしょう
現在「エンジェルナンバー」と呼ばれているものは、
111
222
333
777
1111
など、繰り返し目にする数字や印象に残る数字に、スピリチュアルな意味を見いだす考え方として広く知られています。
恋愛について検索すれば、
「もうすぐ運命の人に出会う」
「ツインレイとの統合が近い」
「復縁の前兆」
など、さまざまな解釈が出てきます。
では。
誰が決めたのでしょう。
ここで私は一度、止まります。
数字そのものに意味を見いだす文化は古い
数字に象徴的な意味を見いだすこと自体は、最近突然始まったものではありません。
数秘術をはじめ、宗教、哲学、占術など、さまざまな文化の中で数字は特別な意味を与えられてきました。
三。
七。
十二。
それぞれの文化や体系によって、数字が象徴するものがあります。
ですから、
「数字に意味を感じるなんて全部おかしい」
という話をしたいわけではありません。
私は占い師です。
数字を読む占術が存在することも知っています。
ただし、
体系のある数秘術と、インターネット上で語られるエンジェルナンバーの意味を、全部同じものにはしません。
「よく見る」ことにも理由はある
たとえば、あなたが1111を気にし始めたとしましょう。
すると、それまでなら見過ごしていた11時11分が目につくようになる。
車のナンバー。
注文番号。
レシート。
人間は、一度気になったものを見つけやすくなります。
だから、
「最近この数字ばかり見る」
という経験そのものには、心理的な説明ができる場合もあります。
でも、それで本人が感じたものまで、
「全部勘違いです」
と切り捨てる必要もないでしょう。
その数字を見たとき、
何を思ったのか。
なぜ今、その数字が気になるのか。
そこには、その人自身を知る手掛かりがあるかもしれません。
ただし、彼の気持ちまで決めない
問題はここです。
1111を見た。
嬉しかった。
彼を思い出した。
ここまでは、あなたに起きたことです。
では、
「だから彼も私を愛している」
は?
それは彼の話です。
前回の夢と同じですね。
夢に彼が出てきた。
だから彼が私を想っている。
1111を見た。
だから彼との復縁が近い。
白い羽を見つけた。
だから彼から連絡が来る。
待ってください。
彼の意思はどこへ行った。
天使がいたとしても、少なくとも彼本人ではありません。
占いでも、相手を消してはいけない
これは私が恋愛相談で大切にしているところです。
占いで相手の気持ちを見る。
二人の縁を見る。
これからの流れを見る。
それはします。
けれど、
「運命だから相手は必ずあなたを選びます」
「この数字を見たから絶対に復縁します」
とは言いません。
恋愛には、
自分とは別の人間が一人いる。
当たり前なのですが、不安が大きくなるほど忘れやすいことでもあります。
あなたには、あなたの意思がある。
相手には、相手の意思がある。
その二人の間に、縁がある。
私はその三つを分けて見ます。
サインを探し続ける夜
それでも、不安な夜には探したくなるんですよ。
彼から連絡が来ない。
既読にならない。
会えない。
何を考えているのか分からない。
だから時計を見る。
11時11分。
「これは大丈夫ってこと?」
検索する。
今度は444。
また検索する。
次は777。
検索する。
気がつけば、
天使がものすごく忙しい。
朝から晩まで、あなたのスマートフォンとレシートと車のナンバーを使って連絡してくる。
……少し休ませてあげましょう(笑)。
サインより、あなたは何をしたい?
数字を見て安心した。
それなら、その安心を大切にしてもいいと思います。
「もう少し待ってみよう」
と思えた。
それもいい。
「私はまだ彼が好きなんだ」
と気づいた。
それも一つの答えでしょう。
でも数字を見つけるたびに、
「これはどういう意味?」
「次は?」
「これは復縁?」
と不安が増えているなら、
その数字はもう、あなたを安心させるものではなくなっています。
そんなとき私は、
数字が何を言っているかより、あなたがどうしたいのか
を聞きます。
待ちたい?
連絡したい?
もう疲れた?
それでも好き?
本当に知りたいのは、数字の意味でしょうか。
それとも、
彼との未来でしょうか。
天使に責任を押しつけない
私は、天使がいるともいないとも、ここでは決めません。
見えないものについて、誰もが同じ答えを持つ必要もないでしょう。
ただ、
「天使が言ったから」
という言葉で、自分の選択を全部預けてしまわないでほしい。
そして、
他人の意思まで天使に決めさせない。
数字を楽しむ。
サインとして受け取る。
心を整えるきっかけにする。
それなら私は、何も言いません。
でも、
「1111を見たから、彼は私を好き」
と言われたら、
私はやっぱり聞きます。
その話、彼には確認しました?
恋には、天使だけではなく、
ちゃんと人間も参加しています。
次回――祈ることと、願うこと
「彼と結ばれたい」
これは願いです。
では、
「彼が私だけを好きになるようにしてください」
これは?
さらに、
「他の女性との縁を切ってください」
となったら?
祈願祈祷をする側は、どこまで人の願いを引き受けるのでしょう。
願うことと、
誰かの意思を変えようとすること。
次回は、
祈りと、人の意思の境界
についてお話しします。

